Ultra-precise punching dies,right angle precision of 5/10,000 mm (0.5

精密刃物部品の製造/精密順送りプレス加工/超精密打ち抜き金型の設計製作販売

株式会社野上技研   View Company Info

何層にもなった薄いフィルムや金属箔、どんなに難しい薄い素材も一発で打ち抜く。その確かな技術力は、創業から40年以上にわたり培われてきた平行直角精度5/10000ミリ(0.5μ)、平行直角の誤差がコピー用紙の厚みわずか1/200しかないという超精密研削加工技術に支えられている。その技術力の結晶を見ることができるのが、野上技研のハンドパンチだ。その抜群の切れ味に、だれもが驚きの声をあげる。バリや変形が最小限に抑えられた断面はスッキリと美しい。
素材・ニーズに合わせて研究開発する、オリジナルの「超精密打ち抜き金型」はいま、世界市場で高い評価を得ている。

小さなボディに高い性能を

野上技研社製ハンドパンチ(Hand held punch)は、テレビやパソコン等の液晶パネルに使用されるフィルム基板の簡易打ち抜き工具として2004年に誕生した。
特殊フィルムやガラス、アルミ等、バリ、変形が発生しやすい特殊素材の打ち抜きで他社製品との圧倒的な違いを見せつけ、当時、最盛期だった国内の液晶パネル業界で多くのシェアを勝ち取る要因にもなった。その後は、脆く打抜きの難しいリチウムイオン電池の電極材の打ち抜きでも高い評価を得、電池メーカーのほか、大手自動車メーカー、医療機器等、幅広い分野で主に新製品の実験・試作工程に活用されている。
さらに、海外取引でも商談のきっかけになることが多く、ハンドパンチは同社が最も力を入れる「超精密打ち抜き金型」の代名詞になっているといっても過言ではない。ここから量産用金型の受注が入るケースも多い。

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社長野上良太氏は「機械にセットする通常の打ち抜き金型と違い、片手サイズと小さいうえに、手で押して打ち抜くという、ごくシンプルな構造。それでありながらクリアランスが3/1000ミリと超精密な金型であるため、自社の技術力をだれにでも分かりやすく紹介してくれる製品の一つとして、商談の際は必ず持参します」と語る。

平行直角精度へのこだわり

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ハンドパンチをはじめとする超精密打ち抜き金型に見られる性能の高さ。その土台となっているのが、良太氏の父で初代社長の眞良(しんりょう)氏(現会長)が40年近く前に確立した「平行直角精度5/10000ミリ」という世界トップレベルの精密研削加工技術だ。
眞良氏は1960年代後半まで、東京都の小さな金型メーカーに務めていた。独立の転機となったのは、当時まだ目新しかった、1台の手動式汎用研削盤との出合い。だれも使い方が分からず、片隅に置かれたままだった研削盤に最初に触れたのが眞良氏だった。
研究熱心だった眞良氏は昼夜問わず研削盤に向かった。材料を削る音や火花の色…五感を研ぎ澄ませながら機械の感覚を体に叩き込み、当時1/100ミリ程度で十分とされていた平行直角精度を極限まで追求していく。

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次第に現場や取引先で「精密研削加工の名人」と呼ばれるようになり、独立後間もなく「平行直角精度5/10000ミリ」を樹立した。この精度は今も、国内大手工作機械メーカーで標準バイスとして使用されており、最新の機械でも出すことができないという。
今日、金型業界も他と同様、精度の高いコンピューター制御の工作機械が数多く導入され、無人化が進んでいる。同社でもワイヤーカットといった便利な機械が稼働するようになったが、一方で、昔ながらの研削盤およそ60台を保有し、ここに熟練から若手まで全社員の3分の1にあたる約20人の職人を配置。ヨーロッパ製の研削砥石を成形することから始まり、手間暇かけながら、人の手でしかできない最終仕上げ工程に力を入れている。
金型は武器だ!

精密打ち抜き金型は今や、同社の主力製品になっているが、従来は刃物製品の研削加工が主だった。1992年、これに加え、新たにプレス加工による微細部品の量産と、それに使用する順送金型(Progressive die)の設計製作に乗り出した。
「新事業の立ち上げという大きな転換期をスムーズに乗り越えることができたのは、先代から受け継いだ平行直角精度5/10000ミリという基礎技術があったからこそ。20年間、刃物製造で蓄積したノウハウも金型に十分応用可能だった」と良太氏は振り返る。
そして「金型を作りながら同時に金型を使う」ことで、製造の現場にユーザーとしての厳しい視点が加わった。何度も改良を加えながら、金型の性能を格段にアップさせていく。金型の性能が良くなると、メンテナンスの回数が減り、作業効率が改善された。無駄に生産ラインを止めずに済むので、大幅コストダウンにもつながった。 ここで、良太氏は大きな気づきを得ることになる。
「金型はただの道具ではない。利益を生みだす重要な武器になる」。

加工が難しい特殊素材に挑む

自社での課題解決をもとに金型をレベルアップし、液晶業界でその実力が認められたあとは、特殊で加工が難しい素材に次々と挑み、ノウハウを蓄積していった。2009年、国の補助事業に採択されるとさらに本格的な研究開発に取り組んでいく。

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まずは、実績のあった液晶パネルのフィルム基板の打ち抜きで徹底したデータ蓄積を行った。ユーザーが行った比較実験によると、他社製品では30万ショットでバリが発生し、再研磨などのメンテナンスが必要になった。同社では当初80万ショットが限界だったが、刃物の形状や材質、焼き入れ方法、コーティング等、数々の検証を重ね、最終的には測定が限界となった720万ショット以上まで延ばすことができた。そして、驚くべきことにその時まだ刃先はきれいな状態で、「このまま実験を続けることができたら1000万ショットはいけたはずだ」という現場の意見が一致した。
同ユーザーの計算によれば他社製品のメンテナンス回数は年間36回だったのに比べ、新たな野上製金型では年間1.5回と24倍もの高寿命となった。1回あたりのメンテナンス費用を4万円とし、スペア金型の購入費も含めると金型1台あたり年間200万円以上の経費削減になるという。同社の金型がメンテナンス費用を9割以上削減させたのだ。
現場のだれもが「金型は武器になる」を実感した瞬間だった。

グローバルニッチトップを目指して
Nogami5ここ数年は本格的な海外進出に向けて準備を進めてきた。

「一度手に取ってもらえれば違いは明らか。金型製造世界一の日本で認められてきた技術力を海外に広めていきたい」(良太氏)。
2010年、国の第三機関に輸出有望案件として選ばれたのをきっかけに、国内だけでなくドイツ、アメリカ、フランスで展示会への出展や視察、企業訪問等、直接現地に何度も足を運びながらニーズの掘り起しを行っている。
こうした中で見えてきた、新たな研究素材が、リチウムイオン電池の正極に用いられるアルミ材だった。薄弱なアルミ材は扱いが難しく、すぐにバリが発生した。自社で研究開発した新しい金型で、当初1万ショットに1回の割合でメンテナンスが必要だったのを、100万ショットに1回まで延ばすことに成功。輸出に向けた大きな足掛かりを作り、アメリカやドイツの自動車メーカーと一部取引が始まったほか、大学・研究機関からも注目されるようになった。その他、電気、半導体、医療機器メーカーなど幅広い業種にアプローチし、ソリューションを提供していきたいという。
今後は、海外企業と業務提携し、取引先でのメンテナンスを行うなど現地サポートシステムを構築していく計画だ。
自動車、家電、電子部品…。時代とともに作るモノは変わっても、いつの日も、日本の製造業を支え、メード・イン・ジャパンブランドの立役者となってきたのが金型だ。ものづくりがあるところに必ず金型がある。「金型は重要なのに軽く見られがち。その価値観を変えていきたい」と話す良太氏。自社の技術力が詰まった精密打ち抜き金型を武器に、グローバル・ニッチ・トップを目指し走り続ける。

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株式会社野上技研

業務内容:精密刃物部品の製造/精密順送りプレス加工/超精密打ち抜き金型の設計製作販売
本社住所:東京都目黒区目黒本町5丁目9-3
茨城工場:茨城県常陸大宮市泉1136-3
代表者:野上良太 創業:1970年
従業員数:61人(平成26年4月1日現在)
オフィシャルサイト:http://www.nogami-gk.co.jp
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Email:k-fushimi@nogami-gk.co.jp (担当:伏見 香奈枝様) お問い合わせの際はインデックスライツのポータルサイトをご覧になられたとお伝えください。