制御盤メーカー

株式会社三笠製作所  View Company Info

電気のあるところに必ず設置され、意識せずに利用しているものの一つが、制御盤だ。例えば、自動車の製造機械などは、全てこの制御盤を介して、監視・指令 が行われている。

制御盤は機械の頭脳にあたり、これを欠くと機械はただの鉄の塊と化してしまう。社会の至るところに配置されている機械を取り仕切しってい る制御盤だが、海外への出荷では、各地域での電気事情や規格が異なるため、国内で使用されるものとは別の規格をクリアしなければいけない。

つまり、各地域 に合わせた規格での製造が必要となるのだ。そんな煩雑さを持つ制御盤業界で、世界的にも稀な守備範囲の広さを誇るのが三笠製作所だ。

世界130の国と地域を網羅 多様な規格を使いこなす電気のスペシャリスト集団

同社は従業員数25名と小規模ながら、その懐は深 い。通常、制御盤メーカーは自国の規格に特化しているものだが、同社では10年前より事業改革に着手し、海外規格の制御盤の設計、製作に積極的に取り組ん でいる。現在では国際規格IECを始め、欧州のEN、米国のNFPAやULと、広範な地域の規格をカバーするにいたっている。なかでも特筆すべき点は、日 本国内ではおよそ15社しか取得していないUL508A(産業装置用制御盤規格)の認定工場として登録されていることだ。現在、国内の認定工場は大手企業 など、量産品をつくる企業が大半を占め、一品一様の単品ユーザーも顧客とする三笠製作所のような存在は、非常に稀で貴重なケースだ。しかし、北米の大手企 業はこの規格を購買条件としてあげることが多く、州によっては認定を必須とする強制力をもつため、同社は他の非認定工場に対して、大きなアドバンテージを 持つ。
また、同社は中国に現地工場を設立し、ドイツやイタリア、米国、韓国、台湾など、各地の企業と業務提携を結んでいる。世界にネットワークを広げ、海外規格 に関するノウハウを蓄積する同社は、海外展開を目指す日本国内の企業から注目を集めており、昨年の受注では、約70%が海外向けの製品だった。代表取締役 の石田繁樹氏は語る。

「弊社は単品から量産品まで、様々な制御盤を手掛けており、メインで製造しているのは国内の機械装置メーカー向けの制 御盤です。今後、機械装置メーカーの海外展開はより加速すると予想されており、我々、制御盤業界も海外規格に対応した設計製作が求められています。

しかし、一口に海外といっても、出荷先は欧米、ASEAN地域など多岐に渡るので、それぞれの仕向地に合わせた電気規格が必要となります。現在、日本には数千 の制御盤メーカーがありますが、弊社のように多くの規格に対応する企業は存在せず、出荷には困難がつきまといがちです。

また、世界を見渡しても、弊社と同 等のカバー範囲を持つ企業を探し出すことは不可能でしょう。

もちろん、コンサル会社や大手商社は俯瞰的な知識を所有されていますが、電気的な細部の事象ま では分からず、またコストも膨大なものとなります。弊社は小さな規模ではありますが、これまでに蓄積したノウハウをもとに、お客様に合わせた『起案・提 案・立案』を行い、制御盤のスペシャリストとして、日本の機械装置メーカーが世界130の国と地域に進出するサポートの担い手を自負しております。さらに 各地域の業務提携先の協力のもと、弊社は海外製PLC(プログラマブルロジックコントローラ)向けのプログラム製作を可能とし、豊富な制御装置をご用意し ています。また、出荷後も、協力企業によるメンテナンスやアフターフォローの態勢を整えているので、海外においても日本国内と変わらぬ万全のサービスを受 けることができます。
さらに各地域の業務提携先の協力のもと、弊社は海外製PLC(プログラマブルロジックコントローラ)のプログラミングの対応がなお一層可能となりました。 また、海外への出荷後も、協力企業によるメンテナンスやアフターフォローの態勢を整えているので、日本国内と変わらぬ万全のサービスを受けることができま す。」

欧州で巨大シェアを誇るドイツ企業の日本進出を手掛ける

一方、日本市場参入を目指す海外 企業からの問い合わせも近年、増加傾向にあり、今後の拡大が見込まれている。

国際規格に準じているものの、ガラパゴス化と呼ばれるほど、日本市場は電気事情が特殊だ。

海外企業が日本進出を図ろうにも、市場特性やマーケティング手法が分からず、苦戦する話はよく耳にする。

また、同社が国内外の展示会に出展す ると、日本の規格に関した相談を多く受けることからも、日本市場参入の敷居の高さが見てとれる。

だが、このような場面でこそ、三笠製作所はその真価を発揮する。

これまで、多種多様な業界の機械装置や電気部品を、顧客のニーズに合わせた規格で手掛けてきた同社には、海外製品を国内向けのレギュレーションに そった仕様に変更する能力を兼ね備えている。

欧州の中でも特にドイツからの問い合わせが多く、すでに大手数社との間で契約を締結したという。
例えば、ドイツのE-T-Aは欧州で60~80%の巨大なシェアを誇る電気部品メーカーだが、日本進出当初、思うように販売数が伸びず、三笠製作所の本社 を訪れた。依頼をうけた同社が行った施策は、E-T-A製品を組み込んだデモ機を製作し、JIMTOFを始めとする展示会に出展することだった。全国でセ ミナーも開催し、さらに、E-T-A製品の有効性を示したハンドブックの作成や、販売専用のWEBを開設するなど、大々的なプロモーションを展開した。三 笠製作所のマーケティング活動は、E-T-Aの販売促進プロジェクトの一環に数えられるものの、最終的には当初の数倍の売り上げを引き出すことに成功し、 同企業の極東に置けるシェア拡大に貢献したという。
また直近では、欧州で70%のシェアをもつドイツの制御盤CADメーカー・EPLANと契約を結び、前述と同様のプロモーションを行う計画になっている。 また、このプロジェクトでは、三笠のWEBダイレクトマーケティングで入手した情報をマネタイズするシステム組み合わせて、EPLANの設計システムの国 内向け販促をサポートする予定だ。

20万件のポテンシャルカスタマーを抱える、小さな巨人

愛知の小さな制御盤メーカーが、欧州の巨大企業と肩を並べてビジネスを展開できる理由は、どこにあるのか。その秘密は、同社のもつ「起案・提案・立案」の力とともに、トップを走り続けてきたプル型のビジネススタイルにある。
通常、制御盤メーカーというと、コンクリートの床でスレート葺きの三角屋根の工場が思い浮かべられるが、同本社には、海外電気部品を含んだ制御盤のデモ機 を展示したショールームが併設されており、その雰囲気は高級外車の販売店のようだ。さらに、『制御盤.com』を初めとした13種類のWEBを運営し、ハ ンドブックの発行やセミナーを全国で開催。精力的な情報発信に努めている。「よく、’’人の倍努力をしろ’’といいますが、人の13倍努力すれば、それだ け情報を集めることができ、他社との差別化を図れるのです」と笑いながら語る石田氏。同社が抱える情報は他の追随を許さず、強固なストロングポイントと なっている。

現在、三笠製作所にはWEBや口コミを介して、毎日、制御盤に関わる問い合わせが届く導線が敷かれている。これらの情報を集約 し精査した結果、同社は20万件の顧客リストを持つにいたった。このポテンシャルと幅広い規格の知識が決め手となり、数多くの海外企業からリファレンスを 呼び込む源となっているのだ。

株式会社三笠製作所

業務内容:設備及び産業装置用制御盤の設計・製作・付帯工事。各国の仕向先毎の法規・規格に応じたリスクアナリシス・ドキュメント製作・評価試験代行
住所:本社:愛知県丹羽郡扶桑町大字斎藤字宮添166番
犬山工場:愛知県犬山市大字犬山字南笠屋8-3
いわき工場:福島県いわき市平上荒川字桜町60
電話番号:0587-91-3661
FAX:0587-91-3662
代表:石田繁樹
創業:1978年
設立:1986年
資本金:1000万
従業員数:25名
Eメールアドレス:mikasa@mikasa-med.co.jp
オフィシャルサイト:www.mikasa-med.co.jp
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