電子機器部品製造

気密接合技術

カワソーテクセル株式会社  View Company Info
Metailizing Products

インフラから半導体、原子力、医療、そして宇宙まで多方面の産業機器において、金属やセラミックスなどの多様な素材の採用が進んでおり、複数の素材を用いた接合部材への要求は高まっている。こうした異なった種類の金属同士や、セラミックスと金属の素材を強固に、そして高気密に接合する高い技術力を持つカワソーテクセルは、気密接合の専門メーカーとして日本国内トップクラスの実力を誇っている。

セラミックスと金属材料は互いに結晶構造が異なるため、接合性が非常に悪い。それらを接合するには、セラミックスの表面を金属化し、金属材料同士の接合に切り替えることが必要となる。このセラミックスの表面を金属化する工程はメタライズと呼ばれ、セラミックスの表面に金属ペーストを塗布した後、高温処理することでセラミックスに強固な金属層を形成させる。この工程は加熱時の膨張率の差によりセラミックスにクラックが入りやすく難しいため、日本で数社しか持っていない技術だ。 ある時「一定期間使用した他社製造の絶縁パイプの接合面から水漏れがある」と、ある企業から相談があった。一般的に競合他社が採用するモリブデン・マンガンを含む金属ペーストを接合面に使ったメタライズ(モリブデン・マンガン法)では、モリブデンが水に弱く、水周りで製品が一定期間使われるとき水密性が保たれなくなっていた。カワソーテクセルでは、チタンを含んだ独自の金属ペーストを使っており(融解チタンメタライズ法)、この問題が起こらないことがわかった。特に接合面が水にさらされる分野では、気密性、耐熱性、長期信頼性が高く評価され、事業分野の拡大につながった。

ろう付け技術力の追求

セラミックスと金属との接合と同様に、異種金属のろう付け技術にも定評がある。特に非破壊検査の装置に使われるX線透過窓は、窓部分にあたるベリリウムの薄さが求められるが、薄いと割れやすいため、高いろう付け技術が要求される。カワソーテクセルは、薄さ8ミクロンのベリリウムの窓に、異種金属のろう付けができる日本国内唯一の技術を持ち、日本国内や海外のX線透過装置製造メーカーへ納入してきた。 こうした難しい接合は、社内での反応解析に基づくろう材の抽出や接合界面分析、接合良否検証を行うことで、なぜ接合できたのか、また設計が意図通りであるか着実に確認していくことで実現している。

付加価値のある仕事を守る

「会社の価値を認めてもらえなければ、価格競争の土俵に上がらざるを得ず、そこからなかなか脱却できなくなってしまう。では、会社の価値をどう創出するのか」。カワソーテクセルの稲付嘉明社長は語る。「付加価値のある製品づくり」。カワソーテクセルを唯一無二の会社にしてきたこの哲学が最も具現化したものの一つが、ヒートシンクだ。 半導体素子を冷却するためのヒートシンクの製造は、当初は依頼元の設計に基づいて加工していた。しかし、依頼された設計が本当に最適な冷却を実現しているのか。製品の実際の使用状態に近い環境で、要求される性能を確認するため、同社は「ヒートシンクラボ」というシュミレーションシステムを設けた。このシステムでは、温度や熱抵抗、圧力損失を試験・データ化、また冷媒の流れを可視化することができる。これによりヒートシンクの素材・サイズは適切なのか、冷媒の流路は最適なのかといったことが判断でき、更には顧客のニーズに応える最適なヒートシンクを設計・開発することを可能にした。 「これくらいの熱ボリュームをこれくらい冷やしたい、という顧客の要望から社内でヒートシンクをシュミレーション・設計し、試作品を顧客の立ち会いのもと調整していき、最終的な製品を作り上げていくことができる。与えられた設計に基づいて加工するのではなく、自社ブランドとして求められているスペックの製品作りをすることが会社の価値だと思っている」。稲付嘉明社長は胸を張る。

新たな可能性を求めて

「カワソーテクセルにしかない技術力と信頼性という土俵で勝負をする」。稲付社長のこの信念は、世界を相手にしても変わらない。装置機器メーカーの点在するアメリカ・ヨーロッパではどのようなニーズがあるのか、そしてどうそれらに応えて行くのか。「カワソーテクセルの製品がどこまで行けるのか知りたい」。稲付社長はこう語り、日本国内にとどまらず、海外へもパートナーを求め、新たな価値創造の可能性に期待を寄せている。

カワソーテクセル株式会社

業務内容:電子機器部品製造
本社住所: 〒550-0005 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号
取締役社長 稲付 嘉明
創業::1877年
従業員数:100名
Website: http://www.kawaso-texcel.co.jp

カワソーテクセル株式会社様へお問い合わせをご希望される企業の方は、直接上記の連絡先までご連絡をお願い致します。お問い合わせの際はインデックスライツのポータルサイトをご覧になられたとお伝えください。