株式会社大善は、鉄鋳物、ステンレス、特殊金属などの切削加工メーカーだ。大善が仕上げた金属部品は、日本製の三次元測定器や脳外科手術用電子顕微鏡など超精密機器で広く利用されている。

また、チタンやマグネシウムなどの難削材・特殊金属の加工にも力を入れており、チタンで削り出した米国製のバイクのクラッチレバーやステップは、元々は社内向けの製作だったが、あまりの完成度の高さから、熱狂的なファンの注文を集めた。金属を高精度に削り出すその職人技は、精密機器部品からバイクファンをうならせるカスタム部品まで、さまざまな場所で高い評価を受けている。

1ミクロンを狙う超高精度金属切削加工

大善が工場を構えるのは、新潟県長岡市。新潟は毎年冬には数メートル以上の雪が積もる世界有数の豪雪地帯だ。そんな雪深い新潟は、金属加工を中心としたものづくりの町として、その名を日本国内に馳せている。大善は、1973年に創業。以来、一貫して金属の切削加工による機械部品の製造を手掛けてきた。大善の主力商品の一つが「精密位置決めテーブル」の部品だ。この機器は、光ファイバーなど精密機械の検査•実験などに用いられており、リニアガイドレールの上に載せた精密テーブルが直線上で滑らかにスライドする構造となっている。精密テーブルの部品の切削加工に求められるのは、数百分の1ミリの高精度。素材はステンレス、鉄鋳物、アルミが中心で、軽量化のため、加工が難しいチタンやマグネシウムを使用することもある。部品は、まず素材を100分の1の精度で削り出し、そこから1000分の1(1ミクロン)の精度で研磨して仕上げる。高精度の切削と研磨の工程は、熟練の職人の経験と勘が求められる。大善の中でも限られた職人しかこなせない工程もある。長さ数十センチから、2メートルにおよぶリニアガイドレールまで、同じ工場で削り出すことができる。レールに多く使用されるステンレスは、膨張熱による曲がりが出るため加工が難しい。しかし同社では40年を超える歴史によって培われた技術で、職人が繰り返し片面ずつ削り、反りのないレールを高精度で製造することができる。製造部長の大宮丈範氏は、「1000分の1ミリ単位の超高精度を誇る日本製の三次元測定器や電子顕微鏡などに使われる部品は、それだけ高い加工技術が求められる。熟練の職人たちが高い精度で作った部品だからこそ、こうした精密機器に選ばれているのではないか」と自社の技術力の高さに自信を持つ。

 

チタン、マグネシウムの未来を見据え

大善は、チタンやマグネシウムといった難削材の加工にも積極的に取り組んでいる。チタンは軽量で高強度だが、硬く切削加工が難しいことで知られている素材だ。チタン製の長尺精密テーブルの加工も手掛けており、他金属と同じく超高精度で切削し、研磨できるのが大きな強みとなっている。こうした大善の加工技術は、従来の取引先である機械メーカーだけでなく、オートバイファンの注目も集めている。米国製のバイクのクラッチレバーとステップを、チタンの切削加工により社内製作した。これは若手職人の技術を高めるためのチャレンジで、通常はステンレス素材のクラッチレバーとステップを、チタンに切り替えることで車体の軽量化や質感の違いを強調する事を狙ったものだ。元々は自主制作で、パーツを販売するつもりはなかった。しかし予想以上に品質が良く仕上がり、バイク好きや米国の業者に見せたところ興味を持たれ、独自のカスタムパーツを受注生産するようになった。また、切粉に発火性があるため危険なマグネシウムの加工も、外部講師を招いて技術指導を受けることで、加工技術を磨いてきた。今ではマグネシウムも高精度で加工でき、切削でメッシュ加工するなど高難度の作業にも対応できるようになった。大宮氏は「チタンとマグネシウムは、今後は航空機や電化製品の筐体など、軽量化が必要な分野で需要が見込まれるので、さらに技術を磨いていきたい」と力を込める。

 

小型から大型まで 伝統の職人技と最新データのフュージョン

大善は、最大で1500ミリ×2000ミリほどの部材加工が可能で、産業機械の土台部分など、大型で重量のある素材にも対応できる。加工メーカーは大物か小物に特化しているのが通常だが、大善では小型から大型まで一貫した部品製造を進めることができ、発注メーカーにとっては大きな利点となる。また、大善の親会社は超硬ドリルなどを製造する大手工具メーカーで、工具に関しての使用条件を部品の使用現場からすぐにフィードバックが受けることで、技術力の向上と素早い顧客対応につなげている。大学の破壊工学の研究室とも提携し、熟練の職人による高い加工技術を、各種測定や耐久試験などの客観的なデータで裏付け、加工の品質を一層高めている。「長岡クラスター」という、切削や組立、熱処理など地域の業者が集まった組合もつくっており、特殊な加工や納期が急なケースでも、お互いがアドバイスし助け合うことで対応できる体制を整えている。大善では、英語対応が可能な社員が社内に常駐し、海外メーカーともメールや電話でコミュニケーションがとれる。大宮氏は「今後は外国からの受注も積極的に受けたい。そして、ファブレスな企業や業種の違う企業とも共に進んでいきたい。どんな金属素材、特殊•精密な加工でも一緒に解決策を考えるので、ぜひ相談してほしい」と語る。

 

株式会社大善

業務内容:産業機械の部品加工、各種金属加工
本社住所:新潟県長岡市十日町1040番地
代表取締役:大宮五十男
創業:1973年12月
従業員数:22名
電話番号:0258-22-0835
FAX:0258-22-1423
WEB:http://www.ohzen.jp

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