Factory Automation, Design and development of industrial machinery

人間の手作業を正確に自動化する卓上連結型ロボット

株式会社アトム精密  View Company Info

アトム精密が開発した卓上連結型ロボットAT9000シリーズは、これまで人間が手作業で行なっていたロボット間の製品の搬送を自動化する、画期的な卓上 型ロボットシステムだ。事務机に載るほど小型のロボットに、半田付けや塗布などのアプリケーションを自由にカスタマイズでき、単体から、最大10台までの 連結が可能だ。自動車、半導体、液晶、食品、医療など幅広い分野の緻密な作業工程に応用でき、人間の手作業を正確に自動化して製品の品質安定を実現する。 大型の装置を組むよりも、大幅にコストを抑えられるのも魅力だ。

卓上型ロボット業界に風穴を空ける連結方式

ファクトリーオートメーション(FA)のプロフェッショナ ル、アトム精密はこれまで様々な工業製品の生産自動化を実現してきた。FA装置の設計から据え付けまで一貫して行うノウハウと、日本企業ならではの高い技 術と品質、そして細やかなアフターケアで海外からの受注も増えている注目企業だ。

 卓上型ロボットの重量は一般 的に最大で30kgほどで、人が一人か二人で運べるほど小型の機械だ。これに対してFAは、人間が行う作業を機械化•自動化する点では同じだが、他の付帯 設備を工場内に設置する必要があり、通常、少なくとも数千万円単位の設置コストがかかる。卓上型ロボットは一般的に本体とアプリケーションを合わせても1 台200万円程度からと、FAに比べてコストが安いのが特徴だ。

 卓上型ロボットは、基板の半田付けを行う場面 でよく用いられている。従来、基板上の別々の場所に異なる種類の半田付けを施す場合などは、ロボットを複数台並べてラインを組む必要があり、ロボットから ロボットへの工程内の基板の搬送は人間が行い、手間がかかった。また、半田付けから塗布など別の作業へ移る工程の場合、作業に適した他メーカーのロボット を使用するケースも多く、ユーザーはプログラミング言語や操作手順など、メーカーごとに覚えなければならない不便を受け入れていた。

  AT9000シリーズは、ユーザーの抱える、こうした課題を解決するために開発された。業界初となる卓上型ロボット間の自動搬送を実現し、最大10台まで 連結可能。大型の装置を設置しなくても自動作業ラインの構築が可能となる。設置コストは、大型の装置を組んでFA化する場合に比べ、場合によっては10分 の1以下に抑えられる。AT9000シリーズは、安価な卓上型ロボット単体と、高価な大型装置の中間、いわば「半FA」的な位置づけとなる。

 社長の一瀬は、「機械を使って生産を自動化すれば、同じ製品を朝でも夜でも全く同じ品質で製造できる。いままでは人間の手作業でやっていた『ちょっとした作業』を低コストで自動化、しかもラインを組んで行えるのがAT9000シリーズの最大の魅力です 」と語る。

半田付けからケーキのデコレーションまで

  AT9000シリーズはカスタマイズ性を向上させ、半田付け、塗布など種々の作業をアプリケーションの交換によって1台のロボットでこなせる汎用タイプと した。アプリケーションの可搬重量は、一般的に2〜3kgであるのに対し、AT9000シリーズは10kgまで可能。可搬重量を引き上げ、アプリケーショ ンの自由度を大幅に高めることに成功した。スマートフォン向けパネルの検査や、薬液塗布、医療分野の分注機、自動車、半導体、基板塗布および半田付け、画 像処理検査機など幅広いニーズに対応する。例えば医療分野では、血液を吸い上げ、自動で検査液の入った試験管に血液を落とす血液検査、またシャーレに入っ た培養地に菌を塗り付けるような作業にも対応可能だ。多種の用途が想定でき、「わかりやすく例えると、ケーキにデコレーションを施すような複雑な作業にも 十分対応できます」(一瀬社長)。

 ストロークや精度のカスタマイズも可能だ。まずは単体で購入し、必要が出てきた場合に連結することができるのもユーザーにとってメリットとなる。プログラミングについては、はじめはアトムの技術者が設定を行うが、次第にユーザーが自ら行えるように教育を行う予定だ。

卓上型ロボット市場の未来

開 発期間は約1年半。アトム精密には、「生産を自動化できないものはありません」と、一瀬が自信を持つほどのFAで研鑽した技術力があったので、開発自体は それほど難しいことではなかった。卓上連結型ロボットについても、FAと同様にユーザーと丁寧に意見を交わすことで、最適なアプリケーションや連結の方法 を提案していくつもりだ。

 一瀬は卓上型ロボットのマーケットが世界的に拡大しているとみている。比較的小規模 の生産工程で需要があり、iPhoneなど、スマートフォンの製造現場ではボタンの耐久試験、タッチパネルの反応試験などで卓上型ロボットが活躍してい る。スマートフォン•タブレットは新製品のモデルチェンジが早く、生産企業は大型の設備投資がしにくい環境になっている。小規模の投資額で最大の効果を発 揮するアトムの卓上連結型ロボットは、そうした小規模の生産現場での需要を見込んでいる。

株式会社アトム精密

企業名:株式会社アトム精密
本社:東京都八王子市弐分町358-1
代表取締役: 一瀬康剛
従業員数:46
設立:1981
企業概要:産業機械の設計開発、装置製造