工場・機械騒音用防音パネル「一人静」

工場・機械騒音用防音パネル製造

株式会社静科  View Company Info

株式会社静科が開発した、工場・機械騒音用防音パネル「一人静」は、薄くて軽い素材で遮音し、硬い素材で吸音するという、全く新しい防音材だ。遮音できるのはぶ厚くて重い素材、吸音するのは柔らかい素材という、従来の常識を覆した。さらに、一般的な防音材では防ぎきれない低周波数もカバーし、かつ、音源に合わせた手軽な加工も可能だ。この常識破りの防音パネルは現在、日本国内メーカーの工場をはじめ、高速道路や工事現場などでの騒音対策として、注目されている。

「薄く・軽い」素材で遮音し、「硬質」な素材で吸音する、画期的防音構造

日本国内の高速道路で使用されている従来の防音壁と比べてみよう。厚みは100㎜。重量は20kg/㎡。それに対し、同程度の防音効果を実現する「一人静」の厚みは、わずか33mm。重量は8㎏/㎡だ。これとグラスウールを比較してみると、同レベルの防音効果を上げるためには、グラスウールでは空気の層も含め、約15㎝の厚みが必要になる。
この極めて高い防音効果の秘密はどこにあるのだろうか。

「一人静」は、吸音面、吸音層、遮音面の三層構造になっている。これは、一般的な防音材と同じ構造だが、標準タイプの「一人静」を例に、その特性を見てみよう。
まず、音源を直接受け止める吸音面。日本の音楽室などではよく見かける、同じ径の穴がパンチングされた壁面などがそれだ。「一人静」はここに、開口率(多孔率)40%以上のアルミメッシュを採用している。音は小さな穴を通過することで小さくなり、開口率が低いほど音は反響する。この原理から考えても、この吸音面だけで相当な吸音を可能にしていることがわかるだろう。かつ、高純度のアルミ素材のため、防錆・耐腐食もあり、耐久性が極めて高い。

次に、中央の吸音層だが、ここが「一人静」の最大のポイントだ。従来の防音材は、ここにはグラスウールなどが使用されているが、「一人静」では、吸音層として、発泡樹脂に注目した。この樹脂は主に、園芸家が吸水スポンジとして使うものだ。
静科では発泡樹脂を製造段階で気泡の大きさを調節している。同社は独自の試験を重ねて割り出したデータに基づき、吸音に最も適した発泡率をつきとめた。この微細な気泡密度によって、従来のグラスウールではカバーできなかった、低周波音の吸音も可能にした。さらに、この発泡樹脂を、ハニカム構造をした芯材に充填することで、吸音性とともに、高い強度を確保している。この吸音層を、通気性のない塗装アルミ板の遮音面で挟み、音を遮る。
この構造を見れば、従来の防音材との違いが歴然だろう。薄く、軽い素材で遮音を可能にし、硬質な素材で吸音を可能にしている。まさしく、画期的な防音パネルなのだ。

 

カスタマイズ可能な軽量設計

「一人静」の特徴は、高い防音効果だけでなく、その「軽さ」にもある。

厚み・重量で遮音する従来の方法では、大がかりな工事が必要になり、多大なコストや時間が必要になる。しかし、「一人静」は、1枚1000×1000㎜、重量わずか8㎏。同規格のパネルを、用途に合わせてカスタマイズすることができるのだ。
パネルサイズは数種類あり、たとえば、工場内の大型機械の騒音を防ぎたい場合、その機械のサイズに合わせて、適したパネルサイズと枚数を選び、機械を囲むようにパネルを組み立てて使用する。一般家庭でも、DIYの感覚で加工が可能だ。
このカスタマイズ方式は、橋梁のジョイント部分を車両が通過するときに発生する突発騒音を減少させるための「突発性騒音吸収装置」(橋梁部のジョイント騒音抑制工法:東日本高速道路株式会社、株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング)に採用され、2010年の土木学会環境賞受賞にも貢献している。

 

ドイツを中心に、世界に向けて技術を発信

日本国内において、「一人静」は現在、トヨタ自動車、日立、シャープ、キヤノンなど国内有数のメーカーが、自社工場の機械音対策に採用している。
周辺への騒音対策はもちろんだが、工場内で働く従業員に対する難聴防止などの安全衛生・健康管理を目的としている企業も多い。
上記以外にも、その用途は多岐にわたる。工場内のクリーンルームや工場全体を覆う防音壁の施工も可能だ。また、オフィス内の電話音やサーバー音。病院や老人ホームの隣室やノイズ対策。あるいは湿度、温度など一定の環境が必要な研究施設のほか、音響施設や一般住宅、マンションにも対応している。

騒音は、世界共通の課題といえるだろう。「市場は国内だけではないはずだ」-そんな視点は、「一人静」の性能が世界に通用するという自信があるからだ。
グローバルな市場開拓を目指し、すでに各国での調査を重ねている。同社が現在注目しているのは、世界有数の工業国、ドイツ。
まずは、キャスター付きのパーテーションなど、シンプルな形状での提案をはじめ、機械内部に取り付ける形状の製品開発も進めており、段階的な提案を計画している。

この画期的な防音パネルは、世界において、どのような重要の展開を見せるのか。

現在、海外用サンプルとして40×40㎜の小型防音BOXを用意している。まずは、この画期的な防音効果を体験してみてほしい。

株式会社静科

業務内容:工場・機械騒音用防音パネル製造
代表取締役:高橋俊二
創業:2006年
従業員数:6人
住所:神奈川県厚木市金田492-1
電話番号:046-224-7200
FAX:046-224-7210
オフィシャルサイト:http://www.hitori-shizuka.jp/

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