金属塑性加工法の研究, 工法開発

自動化された金属整形組立ライン家電向け

株式会社エナミ精機  View Company Info

溶接せず、金具も接着剤も一切使わず、2枚の金属板を接合する「かしめ技術」。
今では産業機器、電子機器、家電など幅広い製品に欠かせないこの技術に磨きをかけ、その高い強度と気密性、圧倒的な加工スピードで数年前まで電子レンジの世界シェア40%をエナミ精機の機械により生産されていた。
エナミ精機のかしめ技術は、熱を加えないプレス加工で、塗装済みの鋼板も成形することができるのが強みだ。競合には真似できない高い技術力から、国内の全ての家電メーカーと取引実績があり、自動洗濯機の外枠ボディやステンレスドラムなどを製作している。日本の家電業界を支えてきた存在であり、海外の大手家電メーカーとの取引も広げている。

プレス加工と接合をワンステップで行う

25年前、ある家電メーカーから洗濯機の大容量化のために濯機外箱の生産ライン依頼されたことがあった。しかし、外箱の生産ラインの開発には期間がかかることから、外箱ではなく、洗濯槽の素材そのものを従来の樹脂でなく、ステンレスに変更することを提案した。洗濯槽自身の薄肉化により、容量も大きくなり、開発期間を短縮できるメリットがあった。当時はステンレス鋼板が洗濯槽に採用されたことはなく、同社が独自に開発に乗り出すことになった。同社がこれまで手がけてきた茶筒の成形技術を応用し、プレス加工による成形とかしめ技術を融合させることで、これまでになかったステンレスの洗濯槽を実現することが出来た。

常識破りのイノベーションで家電業界の度肝を抜く

同社の技術を使うと、塗装済みの鋼板を加工することができる。たとえば白く塗装された洗濯機の外壁部分にプレス機を通しても、傷をつけることなく成形したり、別部品を取り付けることができる。この技術は同社が長年にわたって培ってきた独自の技術だ。

そもそも塗装鋼板を行うきっかけとなったのは、同社社長の江波明氏の父でエナミ精機創業者である俊明氏が、お菓子のブリキ缶に着想を得たことに始まる。28年前の当時、製缶業界では当たり前だった塗装済みの板の立体成形を、家電に応用することを試みた。それまでの家電業界では損傷を危惧し、金型プレス後に塗装し、溶接するという流れが一般的だったが、その段階をとっぱらい、一回のプレスで傷つけることなく形づくる技術に、世界の家電業界、競合他社は度肝を抜いた。

プレス加工の徹底した合理化で時間を大幅短縮

こうした独自技術を経営の核としながら、エナミ精機では生産の合理化にも余念がない。一台のプレス機の一回のショットでどれだけの加工を施せるか、いかに効率よく作業を行えるかを考え、金型の開発を進めてきた。伸縮自在なことから、「こんにゃくブロック」と名付けられた金型で、形状の違う製品を金型交換の段取りをなくす事によりに、ひとつのラインで大量につくれるようになった。多品種の製品を、金型交換などの段取り替えを減らすことにより、徹底した工程の短縮化、高速化をすすめ、生産性を格段に上げている。

生産ラインは欧米の1/2の省スペース

また、狭いスペースでものづくりを行う日本にとって、生産ラインや資材置き場のコンパクト化は常に企業の至上命題だ。欧米各国で使われているプレス装置は背も高く、床を掘るなどの設備環境を整える必要があるが、同社ではそれを必要としない。ある大手家電メーカーでは、洗濯機の生産ラインが300mから15mに縮小したこともあるほど、省スペース化に成功している。「たとえば1億円で買ってもらった設備で省スペース化すると、余ったスペースでさらに1億円分の工場をつくることもできる。生産ラインの無駄を省き、最小限のスペースで行うことで企業の生産効率は飛躍的にアップし、事業の利益拡大にもつながる」と江波は語る。

常に新しい加工技術の創造へ

今後はさらに海外へ販路を広げていく予定だ。先月もメキシコで商談を終えたばかり。これまでは家電中心に設計、製造、販売をしてきたが、医療機器、電子、産業機器、自動車など、技術の利用先は挙げれば数限りなくある。「うちは金型だけを単体で販売しているわけじゃない。企業の要望に合わせ、金型の設計から生産ラインのシステム開発まで一貫してフルオーダーメイド。毎回が新しい挑戦になるけれど、そこが最大の強みでもある」

省スペースで最適な機械装置とシステムを構築し、低コストを実現。企業の利益を最大化させることが使命と語る明氏の目は世界を見据え、挑戦はこれからも続いていく。
現在は国内だけでなくアメリカやメキシコ、韓国、中国の大手家電メーカーとの取引実績も持っている。今後はさらに海外へ販路を広げていく予定だ。

株式会社エナミ精機

業務内容 :
・金属塑性加工法の研究と工法開発
・金属接合技術開発
・FAシステム開発(ソフト開発を含む)
・精密プレス金型の製作
・鍛圧装置の製作
・各種自動機の製作
本社住所: 〒625-0133 京都府舞鶴市大字平小字丁田1757
電話番号 : 0773-68-0301
FAX : 0773-68-0662
E-mail :info@enami.jp
創立:1968年
オフィシャルサイト:http://pre.enami.co.jp

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