Aluminum design And Packaging

アルミ加工製品・機能フィルム製品の企画、製造、販売

ホクセイプロダクツ株式会社  View Company Info

純度を99.999%にまで高めたアルミ「ファイブ・ナイン」。世界中の素材メーカーが獲得に躍起になるこのファイブ・ナインを、純度を落とさず加工する独自の技術を持つのが、富山県高岡市のホクセイプロダクツだ。顧客には医薬品業界や食品メーカーなど、今までのアルミ業界では対象外だった企業にまで広がり、業界地図を一変させようとしている。
特に注目されているのが、医薬品のパッケージの製造だ。人命に関わるため、競合他社が参入を避ける中、純度を最高水準に保つアルミ技術だ。内部の医薬品が見やすいように、高純度アルミを酸化させ、パッケージを透明化させる技術を開発した。 ホクセイプロダクツのある富山県は「日本のファーマ・バレー(薬都)」と呼ばれ、配置薬に300年の歴史を持つ地域。アルミの繊細な技術と富山の歴史がミックスしたこの事業は、ホクセイプロダクツを支える大黒柱の一つになっている。

アルミの総合商社の誕生

ホクセイプロダクツの前身ホクセイ金属は、大手アルミメーカーの日本軽金属から出資を受けて誕生した。現在の社長、冨田昇太郎(45)はアメリカ留学後、総合商社、金属メーカーを経て、15年前に父の跡を継いだ。就任直後、富田は、大きな問題に直面した。父が残した主力の三事業が、一年で相次いでなくなってしまった。仕事がない不安な時期が続く中、新たな技術を生み出すことに注力したという。他社のまねできない付加価値が高い仕事を手がけたい。 そんな思いで身につけたのが、高純度アルミの鋳造技術や薬剤パッケージの企画などだった。
そうした事業が柱に育っても、冨田は立ち止まらなかった。海外の競合他社が日本に進出し、流通もどんどん変化する。そこでの方向性を模索していたときに、冨田が行き着いたのは、「ものづくりする総合商社」だ。自動車や新幹線、飲料缶から半導体材料まで広く用いられるアルミ製品の企画から、製造、販売までを一貫して手掛ける。 「僕らは、どこにどういうものが必要なのかをメーカーなので熟知しているから強いんです」。国内のアルミ産業が停滞する中、ホクセイプロダクツは商社機能を駆使して、次の舞台を海外へと拡げ始めた。欧米相手の製品の輸出入だ。

 

400年の歴史が作る新たな可能性

IMG_999_45国内から海外へと視点を移した時に、冨田が選んだのは「地元、高岡の伝統工芸を活かす」という道だった。「原点に戻るじゃないですけど、地元の強みを発掘して、地域の強み打ち出していかないとグローバル化の中では生き残れないな、と」。
その決断は、アメリカでの留学経験によるところが大きい。「アメリカでは皆、自分の地域に自信を持っている。『ここはニューヨークじゃないけど、すごくいいところなんだ』って言葉を聞いたとき、そういう意識に愕然としたんです。自分も高岡の人に『大都市じゃないけれど、私たちの地元は良いよね』と言ってもらえるようにしたい。 その一つが、海外に高岡の伝統工芸を理解してもらう、ということだと思う」。
高岡は、「高岡銅器」で知られる金属伝統工芸の名産地だ。置物、仏具、茶道具といった金属産業が栄えてきた400年の歴史を持ち、19世紀にパリの万国博覧会に出た時から世界的なブランド力もある。地域の強みを考えた時、そうした伝統工芸をサポートしていく、というシナリオを思いついたという。

 

北欧のライフスタイルへの適合

現在、ホクセイプロダクツは北欧でのビジネスに最も力を入れている。北欧の日照時間の短さに対応した反射材や、現地デザイナーと共に構想した高岡の伝統工芸品。消費される場所に合わせた、エッジの利いた製品を取り扱っている。
北欧に進出したきっかけは「弱者の論理だった」と冨田は語る。海外進出を検討していた2006年ごろ、すでに多くの日本メーカーが東南アジアや中国に進出し、出遅れは否めなかった。そこで改めて進出先を考えた時、北欧が浮かんだという。「北欧の人たちは非常に質実剛健で、真面目で、あと裏切らない、且つ教育レベルも高い。 そのあたりが、真面目で勤勉な北国・富山の人たちの気質と似ている。似たようなところ同士が付き合った方が話しやすのではと思った」。
スウェーデンには現地法人「Hokusei Europe AB」を設立した。それが、高岡の伝統工芸と北欧の文化のコラボレーションを加速させた。高岡を世界へ持って行くための重要な足がかりだ。「今後はアルミと北欧のデザインがコラボしたプロダクトの生産、販売を軌道にのせて全ヨーロッパを視野に販促していきたい」と冨田は決意をみせる。

 

「ハイパーノマド」が世界をつなげるIMG_999_13_w700

社員にはどんどん社外に出て仕事をして欲しい。地域や国外の文化、空気はその場にいないと理解できないと、積極的な「ノマド」を進めている。堪能な語学力を活かし、軽いフットワークで海外を往来する冨田は様々な地域の空気を体感してきた。現地感の重要さは、社員の誰よりも把握している。 海外展開に挑む上でのビジネスの秘訣も「好きな場所で仕事をするから長く続けられる」と自分の肌感覚をなにより大切にする。次の進出先として考えるインドネシアも、冨田自身が赴いた際に、現地の親日ぶりに心が動いたからだ。
「facebook」も駆使し、世界中に友人を持つ冨田は「個人開国」という言葉を使う。自分自身が世界中とつながり、個として連携を取り合うこと。それは出身校である慶應義塾大学の創始者・福沢諭吉の言う「独立自尊」の精神にもつながるのかもしれない。「距離や国境に関わらず世界中の人々が肌感覚でつながりあう世界」を目指す富田は、今日も「ハイパーノマド」として世界を飛び回る。

 

ホクセイプロダクツ株式会社

業務内容 : アルミ加工製品・機能フィルム製品の企画、製造、販売
住所 : 富山県高岡市末広町1番8号ウイングウイング高岡
電話番号 : 0766-29-1600
FAX : 0766-21-7720
代表取締役 : 冨田昇太郎
創業 : 1978年
従業員数 : 15名
オフィシャルサイト : w-hokusei.co.jp
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