Cutting work for industrial equipment parts,assemblage

航空機器部品、自動車関連部品、油圧機器部品、 その他産業機器部品等の切削加工及び組立

株式会社名高精工所  View Company Info

日本が世界に誇る京都の世界遺産、平等院鳳凰堂。そこから北へ3キロ、京都府宇治市の閑静な川沿いに、名高精工所の5つの工場が立ち並ぶ。「これは、うちにしかできへん技術なんや」。大手重工メーカーのターボチャージャーに使われる切削部品を手に、専務の名高新悟(41)は自信をうかがわせた。2010年に進出したタイ。そこでは、自らの技術力を再認識することができたという。
名高精工所は、チタンやニッケル、耐熱鋼などの難削材の切削加工を手がける。ターボチャージャーなどの自動車関連部品が主力。航空機や医療分野など、貢献分野は幅広い。企業理念は「挑戦するもの作り」。同業者が嫌がるような、削りくい素材や複雑な形状の加工に、挑み続けてきた。
「全く経験したことのない注文が入ってきても、断ってしまうとそこからの成長はない」と名高は語る。癖が強くて加工の難しい素材の特徴をつかみ、部品ごとに特別な治具を自社開発して受注元の要求に対応する。そうして付加価値を高めた加工品の量産が、同社の強みだ。

 

世界で勝てる” 日本製造業へのプライド?

海外進出への挑戦

img02タイ進出は、ターボチャージャーを生産する大手重工メーカーからの誘いがきっかけだった。このメーカーがタイに拠点を作るということで、一緒に現地進出するよう持ちかけられた。国内の大手メーカーが海外生産を強める中、「いずれ海外への進出は避けられない」とは考えていた。しかし、決心がつかず、一度は断った。その代わりに、自社の持つ部品製作の技術やノウハウを、惜しみなく伝えることにした。
ところが、大手重工メーカーから聞こえてきたのは、悲鳴だった。新たにタイで提携した現地メーカーも、日本の同業他社も、名高が作る水準の部品が作れなかった。同じ機械、同じ刃物を使い、同じ条件を整えても、名高の真似はできなかった。精度の高い製品を作るには、加工品の「一癖」を、作り手が理解していなければならない。「あ、これはうちしかできへん技術なんや」。世界で勝負できるという確信を得て、ついに進出を決断した。
バンコクにおいた生産拠点は、敷地面積2万平方キロ。img03
社員はタイの現地社員が80人と日本からの社員が2人。大手重工メーカーの全面的な協力を受け、工場の立ち上げは問題なく進んだ。今では、タイ進出の好事例として、日本からの視察も後を絶たない。

会社の文化を作る

img041953(昭和29)年に創業した名高精工所は今年で創業60周年を迎える。
「技術も大切だけど、60年かかって築きあげたフィロソフィーが社員の腹に落ちていないと、結局、技術も何も伝わっていかない」と名高は語る。「企業のDNA」を社員一人一人に刻み込むために「社員には一日一日、一分一秒を大切にするよう毎日言っています」。父親である社長の下、10年前に専務に就いた。以来、毎日欠かさず、社員に個人目標を定めさせている。どんな小さな目標でも良い。日々のステップアップの積み重ねが、10年後に大きな差を作ると考えている。
「企業の文化を作っているんです」と名高は説明する。
また、工場では、新しい技術を導入する際に、どんな細かい作業でも若手を作業に参加させている。どう作れば壊れにくいか。どの素材はどんな特img05徴あるか。それは実地で経験しないと実感できない。現場に向き合う姿勢次第で、若手のまとう「オーラ」が変わってくるという。

 

世界中の「現地生産」を請け負う会社へ

名高が目指すのは日本にも現地にも工場を持ち、自分たちの技術を、世界中のどの取引先にでも活かしてもらえる企業だ。
img06近年、大手メーカーは、海外生産シフトを進めている。部品の注文先も国内から現地へ切り替える動きが急速だ。それを名高は危機とは捉えていない。
「消費地で生産する『地産地消』が、ものつくりのあるべき形であることはまちがいありません」。タイに生産拠点を設けたのも、この動きに合わせた選択だった。
競合となる海外の現地メーカーも日に日に技術力を高めている。しかし、「大量生産でも現地企業に勝てると思いますよ」と、名高は力を込める。
もともと部品の大量生産を強みとしてきた名高精工所。日本で何十年もかけて培ってきた機械化や無駄を省くノウハウは、新興国でも輝くはずだ。
「お客さんのどんな相談に乗れるようになりたい。お客さんが世界展開していくことになったら、うちが現地での量産も請け負う」。そう語る名高には、日本の製造業へのプライドがある。日本の高度成長期を支えた製造業。
それが日本から無くなるわけがない。目指すのは、試作から量産まで請け負える「難削材のグローバルな総合開発センター」。創業60年、名高精工所の挑戦は続いていく。

 

株式会社名高精工所

業務内容: 航空機器部品、自動車関連部品、油圧機器部品、 その他産業機器部品等の切削加工及び組立
代表取締役: 名高 俊郎
住所: 京都府宇治市槇島町中川原28
電話番号: 0774-22-6784
FAX: 0774-22-6484
創業: 1954年
従業員数: 90名
オフィシャルサイト: www.eonet.ne.jp/~nadaka/
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