デジタルモールドインジェクションによる、成形サンプル。
この形状で150ショットほど成形可能。

 

町工場が生み出した3Dプリンターを駆使した世界最速技術

3Dのデータを短時間で造形物へ仕上げる3Dプリンターが、世界のものづくりを加速化している。この3Dプリンターの持つ革新の力を、最大限に引き出すのが、長野県伊那市のスワニーが独自開発した最新技術「デジタルモールド」だ。3Dプリントした樹脂型を用い、ABSなどの樹脂製の試作品や少量品を射出成形するこの技術により、製造のコストや時間を劇的に下げることができる。さらに、3Dプリント樹脂型を使って金属の射出成形やプレス加工する手法も、日本国内の町工場と共同開発し、ものづくりの現場にさらなる進化を生もうとしている。

樹脂より硬い金属を樹脂型で加工する技術は、従来なかった。開発のきっかけは、日本の玩具メーカー大手のタカラトミーと、ゲーム開発会社レベルファイブによる販促品の製造依頼だった。「ステンレスをアクリル樹脂で覆った剣の玩具を、1カ月で2000個生産できるかどうかの検証をして欲しい」。剣の形状は複雑なため、金型そのものの製作が困難であった。様々な問題を避けるため、中国などの工場には依頼できない。この無理難題とも言える注文に答えたのが、スワニーの「デジタルモールド」だった。

金属で金型を作る場合は、通常は10日~20日かかる。スワニーが製作する樹脂の3Dプリント樹脂型ならば、数時間で出来上がる。費用も6分の1ほどで済む。さらに今回は、金属製の剣の部品を作るため、国内の中小企業2社と連携した。

©LEVEL-5 Inc. Photo courtesy by Takara Tomy

©LEVEL-5 Inc. Photo courtesy by Takara Tomy

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広島県福山市のキャステムは、樹脂と金属粉末を混ぜて射出成形し、出来た物を炉で焼いて樹脂を蒸発させて金属材料のみを残すMIM(メタルインジェクションモールド)で剣の1部品を製作した。MIMはステンレス以外にも鉄やチタンなども成形できる。
キャステムは、このMIM技術と3Dプリント樹脂型を組み合わせた「デジタルモールド・メタル」を開発した。

また、大阪府東大阪市の中辻金型工業は、3Dプリント樹脂型を使った金属板のプレス加工法「デジタルモールド・プレス」を開発した。ステンレス、鉄、アルミニウムの金属板の曲げ加工や、細かな文字やロゴの絞り加工が3Dプリント樹脂型できるようになった。

「とにかく時間がない」と頭を抱えていた発注元。町工場の力を集結しデジタルモールドによる技術検証を取り入れることにより、この難しいハードルを迅速のスピードで乗り越え、玩具の剣は見事に完成した。3社を支援した3Dプリンター業界最大手、米ストラタシス社日本法人の関係者も「プロも驚く技術だ」と感嘆の声を上げた。
3Dプリンターの持つ無限の可能性を最大限に引き出すスワニー。橋爪良博社長は「3Dプリンターなら、試行錯誤にかかる時間や費用を大幅に下げることができる。どんどん失敗できる環境を作っておくことで設計者は冒険するようになる。恐れずに手を動かせる環境こそが、革新的なアイデアを生み出す」と話す。スワニーが実現した、世界最速で試行錯誤できる製品開発の環境は、世界の製造業を、新たな次元へと引き上げる可能性を秘めている。

SWANY Co. Ltd.

業務内容 :商品設計開発、試作サポート
本社住所: 長野県伊那市富県7361番地
電話番号 : 0265-73-6033
FAX : 0265-73-3188
E-mail :info@swany-ina.com
設立 : 1970年
従業員数:15名
オフィシャルサイト:www.swany-ina.com

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