Human ride robots, KURATAS

人型ロボットの企画、製造、受注販売

水道橋重工(LLP)  View Company Info

巨大ロボットのパイロットになる―。それは、アニメーションの中の話ではない。高さ約3・8メートル、重量約5トン。「クラタス」は、人が搭乗して操縦で きる、四脚の巨大人型ロボットだ。日本の造形作家、倉田光吾郎氏がアート作品として、製作した。今、この「クラタス」のプロジェクトは、新しいステージに 突入している。量産機の生産、販売を担う制作チーム「水道橋重工」が、全世界に向けて購入者を募っている。日本のアニメ文化が生み出し、アニメの中だけで 活躍してきた巨大ロボット。それを意のままに操縦する、そんな夢を人類で初めて叶えるチャンスが、現実のものとなった。

「クラタス」が実現した、搭乗型巨大ロボットのある世界

「クラタス」は2012年、約2年半の歳月をかけて倉田氏が製作した。 「アニメの中の巨大ロボが現実にいる世界を、表現してみたかった」。倉田氏がその狙いを語る。機体の構造体や腕、車輪の付いた四脚の足などは鉄製。約30 カ所に油圧駆動の関節を備える。ものをつかみ、自走することもできる。パイロットは、胸部にあるコクピットへ乗り込む。内部には大型モニターが設置され、 ロボットに取り付けたカメラを通じて、外部の画像を映し出す。操縦は、外部操作やタッチパネル操作など、複数の手法を想定している。

あくま で玩具ではあるが、BB弾を発射するガンドリングガンや、弾がまっすぐに飛ばない「ロハスランチャー」など、殺傷能力ゼロの安全な武器も多彩にそろえる。 「乗って遊ぶことのできる巨大トイロボット」。それが「クラタス」のコンセプトだ。大手通販サイトAmazonにも、両腕のないスターターキットを紹介。 商品説明には「通常の乗用玩具と異なり、安全性・快適性は保障されませんが、『ロボットパイロットになる』という人類の夢を保障します」とうたっている。 ただ、現在は「再入荷の予定はない」という状況となっている。

 

「ただ、作りたい」それが製作の原点

製 作のきっかけは2004年にさかのぼる。日本で1983~84年にテレビ放映されたアニメ「装甲騎兵ボトムズ」に出てくる人型ロボット「スコープドッグ」 の実物大モデルを製作したことだ。倉田氏が一人で、鉄板を叩いて溶接して仕上げた。このときも関節を備え、胸部コクピットに乗り込むことができた。しかし 動力は備えておらず、当然、操縦することもできなかった。あるとき、倉田氏はこのモデルを軽く押してみた。すると、全高4メートルの鉄の巨体が、ゆらりと 動いた。「アニメだと4メートルは小さく見えるが、この巨体が動いたときの恐怖感はあった、これが実際に動いて操作できたら、人はどう思うんだろうか」。 そんな好奇心が、わき起こった。

ただ、造形作家である倉田氏に、ロボットの駆動や制御の技術はなかった。次の転機は、2009年。翌年に南 アフリカで開催されたワールドカップに向け、時速300キロでボールを蹴ることができる機械を作れないかと、エンジンオイルメーカーのBPカストロール社 から依頼を受けた。引き受けた倉田氏は、「カストロール1号」を製作。四輪車のような形態で自走し、ボールを蹴る際は油圧駆動で変形する。ガソリンエンジ ンを動力としてボールを蹴る仕組みで、発表イベントでは、時速225キロのシュートを披露した。このプロジェクトを通じて、油圧駆動の技術を学んだ倉田 氏。「油圧シリンダーならロボットの動力として使えると考えた。外装も動力も目処が立って、『これで乗って動かせるロボットができるんじゃないか』と考え たら、作りたくて仕方なくなった」。こうして、倉田氏の名前から命名した「クラタス」のプロジェクトがスタートした。

 

アニメから現実へ

ロ ボットは現在、すでに社会で広く活躍している。自動車の生産工場をのぞけば、車体の溶接作業は大型の産業ロボットが担う。家庭内では、自動掃除ロボット が、床を動き回る。自動車メーカーのホンダは、小型の二足歩行ロボット「ASIMO」を開発した。しかし、日本人は長年、アニメの中で、それとは違う「ロ ボットのいる風景」を描き続けてきた。「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「勇者ライディーン」「機動戦士ガンダム」、そして「UFOロボ・グレンダイ ザー」。主人公が乗り込み、敵を倒す巨大スーパーロボット。日本で生み出された、この「巨大ロボット文化」は、アニメを通じて世界に発信され、多くの少年 少女に夢を与えてきた。

「クラタス」のプロジェクトが目指すのは、この夢の現実化だ。「この世のどこかに存在するロボットではなくて、お金 を払えば買えるような、誰でも入手できるロボットが普通にある世界を見てみたい。しかも、せっかくならば1機じゃなくて、巨大ロボがずらりと並ばせた い」。倉田氏は、プロジェクトへの思いを語る。

2012年に製作した現行機は、ロボット制御ソフト開発者である吉崎航氏がソフト面の協力を し、ハード面は倉田氏が一人で製作した。アーティストである倉田氏が描く「巨大ロボットが現実にある世界」というビジョンを現実化するためのチームが、水 道橋重工だ。倉田氏一人では対応が難しい量産化や世界販売の展開に向けたプロジェクトチームで、高い技術力を備え、日本の製造業を支えている多くの町工場 が、製造に協力する体制となっている。同社ではすでに、世界各国から注文を募っている。販売価格は、1億円超を想定している。決して安い金額ではない。し かし「乗り込んで操縦できる世界初の巨大ロボット」が、現実に超高級車を数台分で購入できる状況にあるのだ。

「実際に動く巨大ロボットが並 んだ風景。それが実現するとどんなことが起きるのだろうか。お客様には、この夢を実現するプロジェクトパートナーとして、出資に近いイメージを持ってもら いたい。もちろん水道橋重工としては、協力してくる製造業者のメンバーたちの技術をつぎこみ、お客様の要望に応えるクオリティを持った『遊べるロボット』 を仕上げたい」と倉田氏は意気込む。巨大ロボットのエースパイロットになれるのは、アニメのヒーローだけではなくなった。あなたも、なってみたくはないだ ろうか。

水道橋重工(LLP)

業務内容:人型ロボットの企画、製造、受注販売
創業:2012年
従業員数:5名
住所:山梨県南都留郡鳴沢村
Eメールアドレス:info@suidobashi.jp
オフィシャルサイト:http://suidobashijuko.jp/
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